Make My Day

 

小百合は試合の控え室で細かく震えていた。武者震いも入っているのかもしれない。

だが今日の相手は前回の試合で技を完封され完全に負けてしまった相手。

朝倉愛林(あさくら あいりん)だ。

20代前半だろうか。張りのあるツインテールがぴんと立っていて、その髪の毛は

緑だ。小さいが筋肉質で相手選手の全てを刈り取るような強烈なパンチを打ってくる。

今度は勝てるだろうか? いやきっと勝つ! 複雑な心境で体が震える。

「小百合さん」

試合時間になり呼びがかかる。

重たい腰をゆっくり上げる。

勝てるのだろうか。

いや、美由紀と私は頂上に君臨しなければならない。

試合会場へ向かった。

愛林は既にリングの上へいた。前回勝ったので格上の赤いグローブとブルマ、そしてコーナーを背負っている。

小百合は格下だ、青コーナーだ。きっとその地位を取り返してみせると唇を噛み締める。

リングの上へ小百合が上がると愛林が顎を上げ小百合を見下すように睨む。

「何度でも叩きつけてやるよぉ」

そして愛林は殺気立った口調で言う。

「今度這い蹲るのは貴方よ!」

小百合はそう言い返した。そして二人は近距離で睨み合う。

小百合は少し気圧され、一瞬目を逸した。

「怖いの? お嬢ちゃん」

そう言われた。小百合は正直、今は怖い。前回ボコボコにされたトラウマが

頭の中に蘇る。

お互いにコーナーへ戻りゴングを待つ。

 

カーン

 

小百合は、がむしゃらに突っ込んでいく。

愛林は小柄ながらに鋼鉄のガードと強烈な打撃力を持っている。とにかく全力で

スタミナのあるうちに全てをぶつけようと小百合は考えた。

右ストレート、左ストレート。

ズンッ、ズンッ! ガードされる。愛林は余裕で切り抜けた。

「何度やっても同じだよ」

愛林がフックを打ち返した、小百合はガードするが軽々とそれは弾き飛ばされた。

そして次に愛林から打たれたフックは小百合の頬にめり込んだ。

「ぶゥッ!」

小百合が唾液を吐き散らしてよろけた。

(鉄壁の盾と何でも貫く槍を両方持ってる……)

小百合の戦意がそがれそうになる。

「このラウンドで終わりにしようかね」

愛林は踏み込んだ。

グシャッ! ブシャッ! グシャッ!

強烈なフックが左右に打ち込まれる。

「ぶはぁっ!」

唾液が尽きること無く吐き出される。

前回はこのまま押されて押されてそのままノックアウトをされてしまった。

今まさに前回の繰り返しとなっている。

「次は美由紀選手だね、あいつを倒して私がナンバーワンになる!」

愛林は言った。

「美由紀に当たるまでもない……」

小百合は低い声で言う。

「えぇ? 何ですって?」

わざとらしく愛林が言う。

「貴方は私が叩きのめしてあげるから」

小百合のその言葉に愛林は笑っていった。

「前回と同じ試合内容、自分がもう王手打たれてるって分かってるの!?

そう言って愛林は小百合をメッタ打ちにする。

メリッ……。

小百合のこめかみにフックが当たった。

小百合はあおむけにダウンして痙攣を始めた。

尿も大量ではないが、チロチロと流れ出て水たまりを作る。

マウスピースは吐き出しそうなほどに口から盛り上がっている。

「ふゥー、これで立ち上がってくるようだったら再起不能にしてやろうかしら」

愛林は独り言を言う。

小百合は唾液をボタボタと垂らしながら半分白目になりながらもレフリーの

カウント9で立ち上がってファイティングポーズをとった。

「……再起不能になりたいわけね……」

愛林はそうつぶやくと小百合に突っ込んでいった。

そろそろ三分経つが、これは相手がテンカウントで立てなくなるまで行われるラウンド無しの試合

だ。もう二度とリングに上がれないように、愛林は突っ込む。

グシャァッ! グシャッ! グシャッ!

小百合はこれでもかという程に打ちのめされた。

「これで終わりだッ!」

グシャァァァァァァッ!

愛林の強烈で重いアッパーカットが小百合の顎をとらえた。

マウスピースがブリュッと小百合の口から飛び出し虚空を舞う。

それは血みどろで、小百合の口から血の糸で繋がっている。

ズダン! と小百合は仰向けに倒れて、すぐにカクカクと痙攣を始めた。

吐き出したマウスピースは、びちゃん、びちゃんと血の跡を作りながらリングの

上を乱舞した。

「もう立てないでしょう。嬲りものにさせてもらっちゃおうかな。

小百合の青いブルマが愛林によって脱がされる。

「あんたマゾ? ブルマに愛液の糸が引いてるんだけど。まあいいか」

愛林は側に転がっている血みどろの小百合のマウスピースを拾って膣口へ

ニュルンと入れた。

「奥まで入れるよ、もう一つ入れようか、私のも」

愛林はマウスピースを外して、更に追加で小百合の膣へマウスピースを入れた。

二つは多かったらしくすぐに排泄されそうになるが、その出る力を利用して

押す、出る、押す、出るとピストン運動を行った。

「マウスピースの弧を描いた端の部分が肉壁を刺激するでしょう?」

愛林の言う通り、膣内を刺激されて小百合は声をあげて感じていた。

「ほら、ほら、リングの上で、観客の目の前で果てなさい!」

グッチャグッチャグッチャグッチャ……。

グチャグチャグチャグチャ……。

「あぁぁぁぁぁっ!」

小百合は叫ぶと体をビクンビクンと痙攣させた。

そして二つのマウスピースを膣口からブリュッ! ブリュッ!と吹き出した。

そのあとも痙攣が続き、尿をブシャァッと排出し続け、色々な液体の水たまりを

リングの上へ作った。

「さて、これで立ち上がれない状態ってことで試合は私の勝ちだけど、

美由紀って選手もそうするけどもう二度とリングに立てないように再起不能に

するから、今日の試合はダウンしている相手に追撃可能だったよね?」

確かに今日のルールはダウン者へ追撃が可能だった。

「マウントポジションを取ってと。さぁて一生病院暮らしにさせてもらうよ!」

愛林がパンチを打ち込もうと手を挙げる!。

と、クルッと視界が回転して、小百合がマウントポジションをとっていた。

「ありゃ、マウントポジションとられたか。まあガードしてすぐに反撃を……」

グシャッ……。

愛林の顔面に小百合のパンチが炸裂していた。

ブッと愛話は鼻血を吹き出す。

「パンチは早く重い、ガードは鉄壁。でも持久力は限られている」

小百合が言う。

「だから私はスタミナを付ける特訓を死ぬほどした、自分のその能力にふんぞり

帰っていた貴方は何をした?死ぬほど何かを鍛えた? 私はやったよ?」

「くっ、こんなハズは無い……」

グシャァァッ!

小百合の拳が、再度愛林にめり込んだ。

「貴方は、美由紀の、足元にも及ばない。ここで私が葬り去ってあげる」

「ひぃっ!」

グシャッ! グシャッ! グシャッ! グシャッ! グシャッ!

すぐに愛林の顔面は血に染まっていった。

「人をイかせるとかそんな時間があるならもっと攻撃しておくべきだったわね。

グシャ、グシャ、グシャ、グシャ、グシャ、グシャ、グシャ!

「ぶふっ……」

小百合の顔に血が吹きかけられる。

「ふふふ……ははははは……」

血を吐き散らしながら愛林が笑う。

ドン! と押され小百合は後ろへ吹き飛び、愛林が立ち上がる。

小百合も狼狽しながらも立ち上がった。

「ちょっと焦ったけどね……確かに前よりは強い。あえてパンチを受けさせてもらったよ。

だけどね、最初のダメージで小百合、お前のパンチ力は格段に落ちている。

私は血みどろだけど、意識を刈り取られるほどのダメージは受けていない」

「えっ!?」

グシャッ!

小百合の顔面にパンチが打ち込まれる。

血がボダボダッとリングの上に垂れた。

「要するに甘い。マンガみたいには世の中行かないって事さ」

グシャッ、グシャッ

一撃一撃が小百合のスタミナを極限まで削る。

(確かにこの愛林って天才かもしれない。美由紀より強いかもしれない……)

グシャッ、グシャッ

小百合のふんばりが効かなくなり立っているのがやっとだ。失禁も無意識のうちにしており

太ももからボタボタと尿が滴り落ちる。

「お前は私がサボっている間にも練習をしているといったなっ!」

ぐしゃっ! 小百合をメッタ打ちにしながら愛林は言う。

「やらなくてもやっぱり私は天才なんだよ、さっきはいい夢見れてたろうに、ごめんなぁ!」

バシュッ!

ショートアッパーが小百合の顎を突き上げる。

「うぶぇっ!」

天井に血の華が咲く。

ダーン!

小百合が仰向けにダウンした。

すぐに愛林は小百合を後ろから起こし、性器を開いて観客に見せた。

「ほら、これが伝説の選手のマ●コだよ! だらしないマ●コだよ!」

小百合の秘部はカメラを通じて天井の四面のディスプレイに映し出されている。

「絶望を味わったか? 兵藤小百合!」

小百合の耳元で愛林の囁き声が聴こえる。

そして愛林が手を離すと小百合は仰向けに倒れた。

小百合はすぐにうつぶせに切り替えると立とうと必死になる。

「ほう、大したスタミナだね」

愛林は驚きの表情を隠さなかった。

「何故、私が頂上に君臨できていたか……」

小百合が言う。

「何故君臨できていたか分かる? 対戦選手で天才なんて何人も見てきた」

徐々に立ち上がる。

「確かに愛林さん、あなたは今までに見たこともない程の天才かもしれない、私も一度負けた」

ファイティングポーズをとる。

「相手を気遣わないと出せない危険なパンチって持ってる? 私は持ってる」

「な、何を言い訳を」

そういう愛林の背筋はゾゾッと寒くなった。小百合の睨む目が怖い。

「貴方に敬意を評して出すわ」

 

ファイト! とレフリーが言った。

小百合はストレートを打った!

「普通のストレートじゃない」

愛林はガードをする。

バシッ!

ガードは綺麗にはじかれた。

「なっ!」

そのままストレートは愛林の顔面にぶち込まれた。

グシャァァァァァッ!

愛林の顔が酷く歪む。

「ぶぱぁっ!」

愛林の奥歯が折れ、口から血と共に吐き出される。

愛林は中腰になってダウンを耐えた。

「どう? ストレッチにストレッチを重ね、普通のコーク・スクリュー・パンチより更に回転数の高い

私のパンチは」

小百合は右手をぶんぶんと振り回しながら愛林を睨んでいる。

「ひ、ひぃっ」

物質は回転すると重みを増す。その回転は普通の人間ができるような角度では無かった。

「貴方が天才というのなら、ここまで回転できる私の腕も天賦の才能なのかもしれない」

「何故それを最初から打たなかったッ!」

「それは……相手を再起不能にしたら可哀想じゃない? でも貴方は私の美由紀まで叩きのめすっていうんだから

目を瞑っていられないでしょう?」

「そ、それは言いすぎた、言いすぎたから!」

 

グッシャァァァァァァァァ!

 

愛林の顔面に打ち込まれたひどく回転するコーク・スクリュー・パンチは体まで回転させて

愛林自身をマットの上に叩きつけた。

ズダァァァァァァァン!

「げほぉっ!」

愛林の口から血と唾液が吐き出される、もう一本奥歯が抜けたようでカツーンと跳ねる。

そのまま白目を剥いてがぼがぼと泡を吹き出す愛林。

「私はね、怒らせると怖いんだから……ねっ!」

倒れそうな小百合の腕をレフリーが挙げた、試合はレフリーストップにより小百合の勝ちになった。

スポットライトが小百合を照らす。その横で失禁や泡を吹いている口にタオルを噛ませられながら

緊急で愛林は担架に乗せられてリングを去っていった。

それから4〜5日して、小百合はウィンドウショッピングをしていると愛林がショーウィンドーをぼんやり見ていた。

「よっ!」

声をかけると愛林は身を竦めた。

「ひっ、ひぃぃ!」

「怖がらなくても、別に試合するわけじゃないし……」

「そ、そうですね姉さん」

「姉さん?」

「はい、一応年下なので小百合姉さんと……」

「媚びても何も出ないよ?」

「いや、媚びてるっていうか、何か自分は調子に乗ってたっていうか、反省したっす!」

そこで一例された。

「ま、まあもうその話はいいから、ウィンドウショッピングで服探してるんだけどいっしょに探さない?」

「はいっす!」

 

 

「おーい小百合―」

美由紀が声をかけてきた。待ち合わせをしていたのだ。

「ふんっ!」

愛林が鼻を鳴らす。

「小百合、この人って前に対戦した愛林って人?」

「そうだよ、いっしょにショッピングしようって誘ったの」

「ふんっ!」

愛林は美由紀を睨んで鼻を鳴らす。

「な、何? 私敵対視されてるの?」

美由紀は少し驚いた声で言う。

「美由紀さんは強いっす、でも小百合姉さんの方が絶対強いっす!」

愛林は言う。小百合に懐いてしまったようだ。

「あ、そうか、そういう事か、まあ今日はボクシングの事は置いておいて、ショッピングを楽しもう」

「それには……賛成っす!」

三人は人ごみの中へ消えて行った。

 

おわり

公式に朝倉愛林(あさくら あいりん)が追加されました。