十虎一家

 

 

 

やあ、ボクは健人。

ボクのママ(雨宮 渚)は地下女子ボクシングの選手だ。えっちな試合やガチンコな試合を

色々とこなし、もう大御所と言われても良い頃かもしれない。

そんなママに名指しで指定して試合を組むように求めてこられたのは今年の冬、一番の

寒さだろうといわれた日だった。雪がちらほら舞ってゆっくりと積もっていったのを覚えている。

ママは電話で運営側からそのことを聞かされていた。

「ええ」「はい」と少し暗い声で対応している。こういう時は大抵、対戦相手は

友好的ではない場合が多い。

ボクはヒーターの前で暖をとりながら電話が終わるとママに聞いた。

「まためんどくさそうな相手?」

ママは眉毛をハの字にして答えた。

「十虎(ととら)一家ですって、とても暴力的な人達みたいよ」

むろん、ママはベテランなので尻込みはしない、自分のペースで練習をして

急用もきちんととる。我武者羅に自分を鍛え上げようと躍起にはならない。

今回はえっちな試合というよりガチンコの試合らしく、十虎一家はママをつぶしにかかってくる

らしい。

ボクはよくからまれるなと呆れた、何で、何で皆はママを目の敵にするんだろう。

「ママにはヘンな人達がたくさん絡んでくるね」

というと

「有名税よ」

と返された。ボクはインターネットで有名税を調べた。すぐになるほどと納得した。

さて、ボクは不安にドキドキしながら待っていたママの試合の日がやってきた。

相手は十虎一家の十虎猛娘(ととら もうこ)となっている。

30前半のママに対して二〇代後半に見える。ほぼ白く脱色したサラサラの髪が腰まである。

前髪はぱっつん。まあこうしないと前、見づらいしね。

今のママが一番実力も魅力も脂がのってるんだいとボクは心の中でべぇっと舌を出した。

ママは当然格上の赤いパンツに赤いグローブの赤コーナー。貫禄たっぷりだ。

猛娘はそれらが全て青、チャレンジャーだ。ママ! 叩き潰してやれ!。

 

ボクはセコンドについたのでママの身の回りの世話をする。

使用済みのマウスピースをマウスピースケースから取り出す。駄菓子のよっちゃんいかみたいに

しっとりとしている。滅多に洗わないのでかなり唾液の凝縮したつーンとする匂いがする。

しょうがない、これらは使い込むとお金になるので、多少の不快感は我慢した方が良い。

だってゼロが幾つも並ぶお金でファンと取引されるんだから。

くちゅり、くちゅりと音をたててママが口の中のマウスピースの位置を整える。

口に対して少し大きなマウスピースはママの口から盛り上がる。純白だったが唾液がしみて

少し黄色くなっている。

 

カーン

 

1ラウンド目のゴングが鳴った。

健人が固唾を飲んで見守る中、渚は一気に前に出た。

バンッ!

強烈な渚の右ストレートが走る、それは猛娘にガードされるが

猛子は顔を歪めた。その勢いがガードの上から伝わる。

バンッ! バンッ!

渚が押す! 押す!

それを繰り返しているうちに猛娘は汗をかいてきた。

(何だ、虎なんて名前をつけているわりにはこの程度か)

健人は鼻をならした。

しかしその瞬間、渚の視界から猛娘が消えた。

ステップを聞かせて渚から見て右の視界外に逃げたのだが、渚には消えたようにしか見えなかった。

「え?」

渚が周りを見渡そうとした瞬間、自爆特攻のように渚めがけて猛娘は突っ込んだ。

グシャァァァァァッ!

「ぶへぁっ!」

渚の唾液が吹き上げられる、ショートアッパーを食らっていた。

そこから猛娘は凄い勢いでフックを打ちまくった。

ぐじゅぐじゅぐじゅぐぶじゅっ!

渚の口から唾液のかき混ぜられる音が響き渡る。

ぐじゅぐじゅぐじゅ……。

「虎はね、喉笛に噛み付くともう離さないんだよ……」

猛娘がつぶやきながら手を止めない。

「ぐぶじゅ……」

唾液にぐっちょぐっちょにまみれたマウスピースが渚の口から吐き出された。

重力によってそれはマットの上に落ち、唾液を四方にぶちまける。

ぐっちょん、ぐっちょん、ぐっちょんともったいぶったようなはね方でマウスピースは移動する。

そしてコロコロ転がってベチャリとその体を横にした。

「汚いマウスピースを吐き出した所で、口を守ってくれるものは無くなったね!」

猛娘は手を止めない。

ぐしゃぁぁっ! ぐしゃぁぁぁっ! ぐしゃぁぁぁぁっ!

「ぶびゅるっ!」

渚は唾液を口の空いたペットボトルを振り回すように吐く。

「くくっ!」

渚は全気力を込めて打ち返した。

だがスカッと空振りする。

「ダメだよオバさん、もう喉笛に噛み付いてるんだから。1ラウンド終わるまでに気絶してもらって

試合を終わりにするよ。

一ラウンドの時間はまだ残っている。

ぐしゃぐしゃぐしゃっ! ぐしゃっ! ぐしゃっ!

「そら! こうだ!」

猛娘は叫んで思い切りアッパーを打った、渚の顎が跳ね上がる。

ぐじゅぅぅぅぅ!

「倒れるのはまだ許さないよ!」

がぎぃぃっ}! がぎぃぃぃっ! がぎぃいぃっ!

連続でアッパーが打ち込まれる。

「あ」

渚は一声出すと全身の力が抜けたようにごろんと倒れてピクピク痙攣をしている。

パンツが全体的に膨らんでくる。パンツは両太もも、ウェストとゴムパッキンのように

ゴムがまいてあり、素材は水を通さないので失禁するとパンツが膨らむのだ。

「小便出してやるよ」

猛娘は渚のパンツをズルッと勢い良く脱がした。

ムワッと尿と汗の匂いがたちのぼる。

性器の匂いもまじり、猛娘は少しむせた。

「発酵したワインみたいだね……もう立てないだろうからなぶり倒してやろうかね」

そう言う猛娘をレフリーが肩を掴んで渚から引き離す。

「一応テンカウントをとってから、ね?、好きなことするのは」

「ワン、ツー……」

レフリーのカウントが始まった。

「こんなにアッパー浴びせたんだ、立ちようが無い!」

という猛娘の言葉に反して、渚はカウントエイトで立った。

 

カーン

 

1ラウンドが終わった。

「ママ!」

健人は渚によって言って肩を貸し、コーナーへと連れて行く。

そして椅子に座らせるとマウスピースを拾いに行った。

「はい、これね」

レフリーが拾っておいて渡してくれた。

ちなみにレフリーは黒子の格好をしている。

「凄い状態ですねー、値段がつくハズだ」

「うん、ママのマウスピースは高い。この試合が終わったら売り出す予定だけど」

「どうかしましたんで?」

レフリーはやたら聞いてくる。

「今回の試合、どっちにせよ負けて欲しく無いんだ」

「そりゃあ……」

レフリーが言う。

「負けたい人はいない、これわかります?」

「わかるけど」

そこでレフリーはカラカラ笑った。

「私には渚さん――ママさんは負ける気がしませんけどね、健人様がいれば」

「何で?…………」

「おっと私は中立中立」

レフリーは踵を返してリングの中央へ行った。

「ほら、ママ、元気出して!、何か出したかったらこのバケツに!」

「うげっ、ぶほぁぁっ!」

ビシャビシャビシャ

大量の唾液がバケツに吐き出される。

「怖い相手だね、ママ」

「……そうね。健人、セコンドとして、猛娘が移動した瞬間、右か左かわからない?」

「さっきの視界から消える技だね、早すぎてとても……」

「そいう、私はパンチを位過ぎて集中力が無い、1ラウンドでここまでスタミナ削ってくるなんて

本当にまるで虎に喉元を食いつかれた気分……食らいついたら離さない」

 

カーン

2ラウンドが始まった。渚はよたよたと前に出る。

「喰らいつくよ、そしたらもう離さないんだから……」

シュッと猛娘が渚の視界から消える。

「健人! どっ……」

 

ぐしゃっ!

 

「ち…………」

ぐしゃっ! ぐしゃっ! ばきぃっ!

どがっ!

アッパーで渚が後ろに倒れこむ。パンツをもう履いていないのでぱっくり開いた性器が丸見えだ。

「ぶふぇっ!」

ビチャビチャビチャッと渚が唾液を吐く。

そしてカウント2で立ち上がる。

アッパー! アッパー! アッパー!

渚の目がトロンと眠たいようになってくる。ボタボタと立ったまま失禁をする。

バキィィィッ!

ぶほぁっ!

血の混じった粘液を渚は大量に吐き出した。それは猛娘にもかかる。

「きったないわね。でももうもう一度喰らいついたら勝ちかしら、さて今度はどっちから

攻めようかしら、早くてどっちに消えたか見えないでしょ?」

 

「健人―っ! 頼んだわよ、健人にならわかるはず、目印を[置いた]から、私にはもう頭と耳ががんがんして

よくわからないの!」

えっ! と健人は思った。目印? 何だろう。

 

「はんっ! かく乱戦法かね! 私のこのスピードに追いつけるわけがない。

行くよっ!」

 

 

 

 

「はっ! ママ! 右だ!」

「オーケー、右ね!」

 

 

 

ぐしゃぁぁぁっ!

 

渚のクロス・カウンターが猛娘に決まった。

「ぐぼぉっ!」

「今度は喰らいつくのは私の番ね……」

グシャグシャグシャグシャグシャ……

「ブぅっ!」

猛娘が上を向いて唾液を拭き上げた。

「な……ん……で」

「理屈は簡単、私は右側にツバとかマウスピースを履いていた。

左は乾いてる、あなたが動いた瞬間に乾いた音がするか、水っぽい音がするかの二つよ」

ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃっ!

「これが私の【渚ラッシュ】。それなりに早いでしょ? 必殺技っていうと厨二臭いけどまあ

そんなもの、あなたは移動系の必殺技ね、私は打撃系。

「げほっ! げほっ! くそっ!」

猛娘は後ろへやっとのことで逃げる。

「ふふふっ、はははははぁっ!私の唾液も汚いが均等になるように乾いた方にも吐き出した!これで!」

猛娘は技のモーションに入った。

「ママ! 左だ!」

「……オーケー」

グシャッ!

猛娘の顔面にパンチが打ち込まれる。

「ぐふぇ……なん……で」

「うちの健人は人の粘液と私の粘液を見分け、聞き分けできる程変態なの。じゃあ今度こそあきらめてね」

「ひぃ」

「渚ラッシュ!

スバスバスバスガスガスガズガッ!

「ぐばっ!」顔面を打たれまくった猛娘が白目になってマウスピースを吐き出す。

ぼたっ、びたんびたんびたん……。

「やられた事はやり返すようにしてるから、その膨らんだパンツを脱がせるわね」

渚は猛娘の青いパンツをはぎとった。

バシャッと尿と粘液がパンツから溢れた。

ワン、ツー、スリー!

カウントが無情に進んでいく。

 

 

 

テン!

 

渚がレフリーに手を挙げられる。

「さて」

渚はそのあとに倒れてグッタリしている猛娘の前に立ちはだかる。

「ひぃっ!」

「洗礼みたいなもの、恥ずかしいけどここの選手になったって事は……わかるでしょ?」

渚は猛娘の後ろにまわりこみ両腿を持ち上げた、子供がおしっこをさせられるポーズだ。

「さぁ、上のビジョンに映してもらいなさい」

映像舞台が来て、すぐに猛娘の性器がリング上の四面のビジョンに映し出される。

猛娘のクリトリスは大きく、皮が剥けヒクヒクと動きながら肥大して行く。

「そんなに見られたら……見られたらっ!」

ブホッ

猛娘の膣口から白濁液が放出された。

「あら、本気汁、そんなに感じやすいんだ」

「ほ、ほうっておけ……ああっ!」

「なんか私もエッチな気分になってきた……」

渚は猛娘をリングの中央へゆっくり下ろすと、その性器へ自分の性器を近づけた。

刃を交えるように二つのクリトリスがビンッとふれあい、お互いにのけぞる。

液がグッチャグッチャに混ざる位、しましょ。

グッチャグッチャと二つの性器が重なって動かされる。

猛娘のクリトリスの肥大は止まらず、渚のそれより大きくなった。

「うわぁ猛娘ちゃん、そら豆みたいなクリトリス……」

「そ、そんなに大きいかな、ああっ!」

「お、大きいっ!」

最期に二人の股間の間から噴水のように粘液がグブジュッと吹き上げられてた。

猛娘は完全に果てており、改めて渚がレフリーに手を挙げられる。

「今日のママはちょっとエッチだったけど、勝ってる姿はやっぱり格好良いよ!」

健人はオナニーをしながら元気に叫んだ。

健人に向けてレフリーが親指を立てる。

 

「渚姉さん〜」

猛娘はママになついてしまった。

ボクとしてはママを取られたくない。

「ママはボクのモノなんだからねっ!」

「いやぁん、猛娘のモノよっ!」

 

十虎一家との抗争はまたの話……になるかな?